まえがき
※映画「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」の感想文です。ネタバレはしないですが、感想は言います。未視聴かつ見る予定があって、先入観なく見たい人は戻るボタン推奨です。また今度感想を共有しましょう。













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さておき。

ぬいしゃべを見てすぐは、なんとなくしっくりこなかった感覚があった。

映画を見たり、本を読んだりして、感情や思考を揺さぶられ、ざわざわする。
そういうことはしばしばあるのだけれど、その感覚ともちょっと違って、ぬいしゃべを見たその日はなんだかしっくりこなかった。

その原因を頭の端で考えながら、1週間を過ごした。
それで今日思い浮かんだ原因がスッポリと穴にハマった。

「これは僕の物語だ」を見る前から期待しすぎていたんだ。

ぬいしゃべは何人かの友達におすすめされた。
人によっておすすめの仕方は様々だったけれど、最後に話した方は「絶対見てほしい、映画の中にきょう(僕の名前)さんがいた!」と言ってくれた。

そんなレコメンドをいただきつつ、劇場に座った僕は、いつも以上に画面の中に僕を探していたのだと思う。
ほんで見終わった僕は「あれ、おらんやんけ」と思ってしまったんだ。
たしかに部分的には共感できるのだけれど、もっとパッチリと重なる感覚を求めてしまっていた。


1週間経って、映画の登場人物の言葉を反芻した僕はようやくハマる感覚を得られた。

そっか、登場人物それぞれの中に僕はいたんだな。
ななくんの中にも、麦戸さんの中にも、白城さんの中にも、西村の中にも、藤尾の中にも、文化祭の実行委員の中にも。

なんて自分主体でナルシストな考え方なんだろうって、ちょっとだけ自分に引いてしまったけれど、これが一番しっくりきた。

ぬいしゃべは僕の中にある矛盾した考え方やそれに対する葛藤をそのまま登場人物にしゃべらせて表現してくれた。

一番感情移入できるのは誰だろう?みたいな見方はしなくてもいいのかも。もう一回見てみるかなぁ。

p.s.
画像はうちでいつも僕の「いってきます」を聞いてくれる親子だるまです。

p.s.2.
こんなことを考えながら、ぬいしゃべの付帯コンテンツを楽しんでいるので、万季さんと金子由里奈監督のトークイベントも楽しみです。