※ほんのりネタバレになるかも・・です

静/動

わたし/あなた

無/音

ヒト/野良犬

わかる/わからない

あいだの『/』
実に簡単に飛び越えていた。どこまでいくのかは、わからなかった。
あなたは叫んでいて、わたしはそれを聴いた。
あなたにさわれると思ったうち、あなたは外へと飛び出ていった。

また内に戻ってきた途端に、水水水があふれている。
土から続いて、火、食、植物、虫、動物、それから水はまたあふれた。

ただそこにあった。土は水とまじって形は姿を変えた。
こちらにゆっくりと流れてくる。土のにおいがした。

聴きなじみのある音の断片はそこでは不自然に、無秩序に聞こえた。

応答/反芻する言葉、動きは毎回新しく生まれている。

声はきこえる、身体の伸びる方角はみえる。だけどわたしはあなたではない。あなたと同じように世界をみていない。

(さみしい)

あなたの声はわたしの頭の上を通過していく。姿からは怒っているのか、笑っているのか、泣いているのかわからない。各々の声と身体に、そもそも初めから付いているのか。あなたが野良犬だからなのか。

水、紙、土、コンロ、植物は空間に現れる。おのずからは動かず、そこでじっとしている。

ひとはモノを蹴ったり、投げたり、落としたり、とどまる時間なんてほんの刹那で、そのうちで空間を絶え間なく変えていく。水はあふれて水たまりをつくり、紙は水にしっかりと浸って、ちぎれそうだ。土は一面飛び散ったため、水と混ざり、濁っている。

あなたはその水で顔をまた洗った。茶色い顔で笑った。